ドラマ『まっしろ』から医師と患者の立場について考えてみる
- 掲載:2015年02月14日
- 更新:2015年05月28日
- オピニオン
TBSで2015年1月から放映されている病院ドラマ『まっしろ』をご覧になっていますか?
このドラマは、患者のホスピタリティーを最も優先した一流ホテルのような病院の中で繰り広げられる女性の看護師同士の人間関係を描いている内容です。
そこで、今回、「医師と患者の立場」について考えてみたいと思います。
いい病院かどうかと判断するときに、皆さんはどういう視点で判断をしていますか?
私は、問診や診察の際に、医師がどのような言葉をかけ、態度がどうであったかなど、「人としてどうか」という点で判断することが多いです。
もちろん、人は良くても腕が悪いのではもってのほかですが、人間性も医師の重要なスキルだと思っています。
日本では医師>患者という関係性が強いせいか、医師が横柄な態度であったり、言葉が乱暴であることってよくありますよね。
たしかに、医療は社会の公器であるため、ホテルやデパートのようにお客様のホスピタリティーや満足度を優先しているサービス業と完全に比べることは筋違いかもしれません。
しかし、ホスピタリティーという言葉はもともと病院から生まれていて、医療の現場でそれが感じられないのは大きな問題であると思います。
先日、頭痛が1週間程度続いていたため、とある病院にかかったときに言われた言葉がまさにこの状況を表しているので紹介したいと思います。
医師からは「このくらいの症状で病院に来る必要はない!」と言われました。
来る必要ないことが自分でわかっていれば、わざわざ会社を午前中休んで行きませんでしたし、こんな医師のために、お金を払うと思うとアホらしくなりました。
そして、他の病気になったときにも、この病院には二度と行きたくないと素直に思いました。
もしそのときに、「今回の症状は大きな問題がなさそうなので、しばらく様子を見てみましょう。」というような言葉をかけたり、仮に私くらいの症状の患者が来ることによって、他の重篤な患者さんが診られなくなるなど病院として迷惑なことばあるのであれば、正直にその理由を話してくれれば、まだ気持ちは悪くならなかったと思います。
医師も自分が病院にかかったときは患者になる可能性が多いにあるのですから、医師こそが患者の気持ちを考えながら対応すべきであると感じました。
病院経営という点から考えてみると、この病院はこの医師一人の対応によって、一人の患者を失いました。
日本の多くの病院は赤字経営と言われていますし、医師一人一人が今一度、病院の本来あるべき姿を考え直す必要があるのではないでしょうか。
もちろん、患者のために熱心に医療に従事している医師の方もたくさんいることは知っています。
ただし、ドラマの世界ではあっても、『まっしろ』のような病院が視聴者の目に特殊に映りドラマとして成立してしまっている今、理想と現実のギャップが現在の医療現場にあることも事実だと思います。
「医師が患者に寄り添い、患者も医師のことを尊重する」そんな関係をつくっていくことで、日本の医療も進化していくのではないでしょうか。