Apple ティム・クックCEOのカミングアウトから感じたこと・考えたこと

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iPhoneやiPadで世界的に知られているアップルのティム・クックCEOが10月30日に経済誌の「Bloomberg・Businessweek」で自身ゲイであることを公式にカミングアウトしたことを受けて、今回は私(くつロギー)なりの感想を記したいと思います。

「私はゲイであることを誇りに思っている」

クック氏のカミングアウトの誌面上で「私はゲイであることを誇りに思っている。(I’m proud to be gay.)」と言っています。

ゲイは性的少数派(セクシャル・マイノリティー)であることに変わりはありませんが、クック氏はそれを誇りに思いさらに「神が私に授けてくれた最高の贈り物である(I consider being gay among the greatest gifts God has given me.)」とも言っています。

私は22歳の時に自分がゲイであることを100%受け入れることができ、それまでの20数年間のモヤモヤっとした気持ちを晴らすことができましたが、その時はまだ誇りとまで思うことができていませんでした。

きっとそれは、自分で認めても自分とは別の誰かにまだ認められたことがなかったからだと思うのです。私はそれから、本当に心を許せる友人には少しずつカミングアウトをするようにしていきました。

まだまだ「同性愛者」や「LGBT」などのセクシャリティーに関する教育や認知が低いことから、すぐには理解してもらえないこともありましたが、カミングアウトをした友人とは、カミングアウトをする前と変わらず仲良くすることができています。

自身への愛着、そして誇り

そして、カミングアウトをしていくことで大きく変わることは「自身への愛着」です。それはゲイであることも含めた私自身を周りの人々が受け入れてくれることで、「他でもなく、私が私であることの意義」を感じることができるからなのです。

まさに、クック氏が言っている「誇り」とはきっとこんなことなのかなぁと思いました。

そのため「ゲイだからすごい」や「ゲイだから偉くなれる」のではなく、「ゲイ」ということで「自分とはいったいどういう人間なのか?」を心底考え、そして自分ができることを考え抜き実行しているからこそ、自身がゲイであることの誇りやそれを贈り物であると感じているのだと思いました。

実は偶然にも同じタイミングで公式カミングアウト

クック氏のカミングアウトは、誌面上で日本とは時差もあるので、ピッタリ一緒のタイミングとは言えませんが、同じく10月30日に私は勤務先で行われた合宿研修の夜に、メンバーでたき火を囲んでいた懇親会の場で、自身の上司や部下に対して私がゲイであることをカミングアウトをしていたのです。

これまで仲のいい先輩や同期などにオフサイトの場でカミングアウトをすることはありましたが、会社の組織内でオフィシャルにカミングアウトをしたのはこれが初めての経験でした。

たき火を終え、部屋に戻って自分のiPhoneを見たときに、日経電子版の記事でクック氏のカミングアウト記事を知り、驚くほど偶然にもタイミングが一緒だったので思わずFacebook上でシェアをしてしまいました。

クック氏と私を比べたら、社会的地位も能力も影響力も全く異なりますが、「ゲイ(同性愛者)」という同じ境遇の者として、彼の勇気あふれる行動に敬意を表すとともに、クック氏と比べれたら圧倒的に小さい一歩ではあるけども、私も同じ日に公にカミングアウトをしたゲイとして、一人でも多くの人に勇気を与えたいと強く感じました。

当事者が伝えることで、世の中が変わる

アップルのクック社長がゲイであることは、ゲイの人々やシリコンバレーの中では知られていることだったようです。しかし、それはクック氏が直接的に話したものではなく、人々の声を介して伝わったもので、「うわさ」のレベルを超えないものでした。

うわさとカミングアウトは全く違う

うわさとカミングアウトは全く違うもので、本人が自らの言葉で伝えることで、これまでゲイやLGBTということに興味がなかった人も同性愛について考えたり、意識する機会が生まれ、それが積み重なると世の中までも変えることができるのだと思います。

事実、クック氏のカミングアウトは全世界中で報道され、賛否様々な意見があったとしても、これまであまり関心や注目されることのなかった「LGBTやセクシャルマイノリティー(性的少数者)」の分野にスポットを当てたことは間違いないと言えるでしょう。

勇気ある行動には力がある

カミングアウトをするときは、いつも勇気を必要とします。それは、ゲイであることを理由にこれまでの関係が続かなくなってしまうことにとても大きな恐怖を感じるからです。それでも、私がカミングアウトをする理由は、勇気伴う行動には大きな力を持っていると信じているからです

最初のうちは、自分に自信がなくカミングアウトをすることも多くありました。しかし今は、一人でも多くのゲイやセクシャル・マイノリティーの人々が自分らしく生きることができるために、ゲイの当事者としてできることをしていきたいと考えるようになりました。

すべてのステークホルダーに伝え続ける

性的少数者が自分らしく生きるためには、セクシャル・マイノリティーの人々だけではなく、この社会のすべてのステークホルダーに対して働きかけることが必要で、まずは「私がゲイであることを伝えることで、少しでもLGBTや性的少数者のことを知ってもらう」ことをカミングアウトという活動を通して続けていきたいと思っています。

最後に、勇気と情熱あふれる行動を起こしたティム・クック氏に尊敬と感謝の気持ちを表したいと思います。

追伸:ますますアップル製品が好きになりそうです。

この記事を書いた人

くつロギー

ゲイティーの創設者で、普段はWEBサービスの企画やコンサルティングの仕事をしながら、コツコツとゲイティーを運営している20代アラサーゲイです。

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